老後の海外生活

ベトナム・ホーチミン新市街

ちょっとおさらいになりますが、日本で普通に老後を過ごすことを想定すると、毎月の生活費は25万円程度、貯金は2000万円程度が必要だとされています。

 

年金だけに頼るのにはどうしても不足分があるようですが、年金については受給者が増加する一方で、現在の支給額を維持できるかどうかも不明です。

 

そこでのもうひとつの考え方ということで、海外に移住するという案が出てくるわけです。実際に物価の安い海外なら、日本より楽に暮らせる可能性があるのです。

 

通貨が切り下がっているベトナムなどもその好例です。日本円と比較すれば、相当少ないお金で楽に過ごせます。貨幣価値は不変ではありませんから、将来的に円安になる場合も考えられますが、円安になるなら、海外の景気が上向いて海外金利も上がるので、住んでいる国で株式や不動産投資を考えてもいいのです。

 

初めて海外移住案を聞いた時にはかなり驚くかもしれませんが、今のうちから海外の特長についてよく調べておいて損はありません。

 

最近の海外生活の実態についてですが、海外で3ヵ月以上暮らしている日本人は、総数で約111万7,000人おり、その中で永住者は約36万人です。永住者の国別の内訳は、1位がアメリカで、以下、中国、オーストラリア、イギリスの順です。

 

現在、オーストラリアの邦人数は、長期滞在者が42.4%増、永住者も35.0%増となっており、かなりの増加率になっています。これは、国際結婚の増加が主たる要因とされており、定年後のオーストラリア永住も流行していると外務省でコメントを出しています。

 

民間調査での海外移住したい国ランキングでは、1位はオーストラリア、2位がニュージーランド、3位アメリカとなっています。

 

老後をこのように海外で過ごしたいという人には、長期滞在(ロングステイ)と永住ビザを取得する方法があります。世界40ヵ国では、年金受給者を対象とした優遇移住制度のリタイアメント・ビザも発行しています。

 

このリタイアメント・ビザで、最長4年間の滞在が可能になり、短時間の就労もできます。年齢は55歳からが対象で、人によっては定年前に仕事を退職して、リタイアメントプランを早々に活用する手もあります。