老後の収入と生活水準

 

老後の1ヶ月当たりの最低予想生活費は、各人が望む生活水準によっても大きく異なるものです。しかし、いくら使いたいかを考えてみても、実際に具体的な金額は頭に浮かばないかもしれません。

 

これを判断するためには、現在の生活水準を維持したいのか、あるいは支出を下げて質素にするのか、現在より優雅な生活をしたいのか、というように考えてみるとわかりやすいでしょう。

 

現在、生活費が25万円だという場合なら、老後資金も毎月25万円使うということになるはずです。多少ガマンするなら、20万円あたりまで下げられる可能性もありますが、優雅な生活を望むなら、そうはいきません。

 

ここで知っておきたいのは、老後の収入が「年金だけ」になる人が実際には約64%もいるということです。

 

厚生労働省の「国民生活基礎調査」(平成21年)によれば、前回調査よりも9%増加していそうで、高齢者世帯の約74%が老後の生活費は年金が柱になっています。

 

高齢者世帯1世帯当たりの平均所得額は約297万円で、その内訳は年金が約210万円となり、総所得の約70%を占めています。無職世帯の1ヶ月の不足額は約5万円となり、普通に考えると、年金だけではやや厳しい生活を強いられることになるでしょう。

 

物価の高い日本で優雅に暮らすには、かなりの貯蓄が必要になることは間違いありません。そこで浮上してくるのが、海外への移住案です。